ブログをカスタマイズする際に意識すべき主なポイントは、次の2つです。

・読者にとって「見やすく、読みやすい」ブログにすること
・どこにどんなコンテンツがあるかを「直感的にわかる構成」にすること

そして、検索エンジン経由の集客を前提にブログを運営するのであれば、投稿するすべての記事が「アクセスの入り口」になることを忘れてはいけません。

この前提のもと、上記の2つのカスタマイズポイントを意識することがとても重要になります。

つまり、ブログの運営では、ひとつひとつの記事がさまざまな経路から訪れる「多様な読者」にとっての玄関口となるのです。

そのため、ブログ全体の構成は、そうした多様な訪問者の目線に立って設計する必要があります。

そして、読者一人ひとりが「自分のニーズに合ったコンテンツ」をすぐに見つけて読めるかどうか。

これが、ブログの滞在時間や回遊率、そして最終的な成果にも直結します。

そうした観点から、訪問者が目的の情報にたどり着きやすいブログにするために活用できるのが、

  • ヘッダーメニュー
  • サイドバーメニュー
  • フッターメニュー

といった「常に画面に表示されるナビゲーションメニュー」です。

これらのメニューコンテンツを適切に設計すれば、訪問者は迷わずに求めている情報へたどり着けるようになります。

その結果、満足度の高い体験を提供でき、ブログへの信頼感や再訪率にもつながっていきます。

本講義では、以下の3つのメニューごとに、訪問者が「求めるコンテンツを見つけやすい構成」を作るためのカスタマイズのポイントを、具体的に解説していきます。

  • ヘッダーおよびヘッダーメニュー
  • サイドバーおよびサイドバーメニュー
  • フッターおよびフッターメニュー

それぞれの役割と効果を踏まえたうえで、順を追って見ていきましょう。

ヘッダーのカスタマイズについて

「ヘッダー」とは、ブログの最上部に表示される領域のことであり、「ヘッダーメニュー」はその部分に配置されるメニュー項目を指します。

このヘッダー部分は、デザインによって訪問者の第一印象に大きな影響を与える要素でもあります。

たとえば、視線を引きつけるようなビジュアルや配色を採り入れることで、ブログ全体に対するイメージアップを図ることも可能です。

とはいえ、ヘッダーのデザインは、あくまで「感覚的な印象」に働きかけるものであり、ブログの成果(アクセス数や収益)を直接的に左右する決定的な要因になるわけではありません。

だからこそ、もし自信のない状態で見栄えを意識しすぎて「素人感」のあるデザインを施してしまうと、逆に信頼性を損ねてしまうリスクもあります。

そのような場合は、無理に凝ったデザインを入れるよりも、必要最小限の要素で構成された「シンプルで清潔感のあるヘッダー」を意識する方が、結果的に好印象につながります。

実際、有名ブロガーの中にも、あえて飾らないヘッダー構成を採用している方は少なくありません。

そして、何よりも大切なのは「ヘッダーをひと目見ただけで、ブログの主旨や内容が伝わるかどうか」です。

デザインよりも、まずこの“役割”を果たしているかを重視するようにしましょう。

たとえば、前回の話で解説したように、「ブログタイトル」を適切に設定しておけば、そのタイトル自体をヘッダーに表示するだけでも十分に、必要な機能と情報提供の役割を果たしてくれます。

無理に装飾を加えるよりも、シンプルな構成の中に「伝える力」を込める。

そのような視点で、ヘッダーを設計していくことが、読者の信頼と読みやすさにつながっていきます。

メニューコンテンツのカスタマイズについて

ブログにおけるメニューコンテンツのカスタマイズは、大きく分けて次の3つの要素に分類されます。

  • ヘッダーメニュー
  • サイドバーメニュー
  • フッターメニュー

このうち、特に重要なのはヘッダーメニューとサイドバーメニューの2つです。

なぜなら、これらはブログを閲覧する際に 常に視界に入りやすい場所に表示され続けるからです。

一方、フッターメニューはページの最下部にあるため、訪問者がそこまでスクロールしなければ目に触れることはありません。

そのため、カスタマイズの優先順位は自然と低くなります。

したがって、ここではまず、読者の動線に大きく影響する ヘッダーメニューとサイドバーメニューに焦点を当てて解説を進めていきます。

ヘッダーメニューとサイドバーメニューの役割分担

ヘッダーメニューにどのようなコンテンツを配置するかは基本的に任意であり、必ず設置しなければならないものではありません。

実際、多くの場合、ヘッダーメニューに掲載する項目はサイドバーメニューにも同様に設置することが可能です。

とはいえ、それぞれのメニューには「適した役割」があります。

ヘッダーメニューに適しているのは

訪問者の目にまず触れるべき、優先度の高い項目
タイトルだけで内容が伝わる、説明不要のシンプルなメニュー

なぜなら、ヘッダーメニューは横一列に並べる形式であり、表示できる項目数に物理的な制限があるためです。

そのため以下のような内容は、ヘッダーメニューには不向きです。

  • 補足説明が必要な内容
  • タイトルだけでは伝わりづらい複雑な情報

つまり、ヘッダーメニューには短く明確なタイトルだけで伝えられる重要なリンクを絞って配置するのが理想です。

一方、サイドバーメニューは基本的に縦にスクロール可能な形式なので、数多くの項目を配置したり、詳細な情報やビジュアル付きの案内を加えることができます。

具体的には、以下のようなコンテンツに適しています。

補足説明を加えたい情報
バナー画像を使って視覚的に誘導したいリンク
複数のコンテンツタイトル(記事リンクなど)を一覧表示したい場合

また、サイドバーに表示される項目は、上にあるほど訪問者の目に留まりやすく、クリックされる可能性が高くなります。

そのため、表示順にも戦略が必要です。

サイドバーの上段に置くべきコンテンツ

サイドバーメニューにおいて上部に配置すべきなのは、以下のようなコンテンツです。

  • 多くの訪問者が求めているであろう重要な情報
  • 初めてブログに訪れた人が興味を持ちやすい内容

このような構成を意識する理由は、新規の訪問者は自分から積極的に情報を探さない傾向があるためです。

一方でリピーターは、自分で目的の情報を見つけ出す意欲が高いため、下の方にあるコンテンツにも自然とたどり着いてくれる可能性があります。

そのため、サイドバーの上段には、

多くの新規訪問者が「最初に興味を持ちやすい情報」
直感的に内容が伝わるタイトルがついているコンテンツ

を優先的に配置しましょう。

こうすることで、初めて訪れた読者にもわかりやすく、スムーズな回遊を促すことができます。

優先的に配置すべきメニューコンテンツ

新規の訪問者がブログに初めてアクセスしてきた際、真っ先に知りたがる可能性が高いのは、以下のような情報です。

  • このブログがどのような目的で運営されているのか(ブログの趣旨)
  • 誰が書いているのか、どんな実績があるのか(運営者の人物像)

これらは、読者が「このブログは自分にとって読む価値があるかどうか」を判断する上での重要な材料になります。

つまり、こうした内容を扱った記事こそが、新規の訪問者にとっての最初の関心の対象になりやすいのです。

特に、検索エンジンからの集客を軸にブログを運営している場合、読者はまず個別の記事に直接アクセスしてきます。

そして記事を読み終えた段階で、

「他の記事も読んでみたい」
「この人の話をもっと知りたい」

という関心が生まれたとき、次に目を向けるのがヘッダーメニューやサイドバーメニュー になります。

その際に訪問者が求めるのは、ブログ全体の「方向性」や「価値」を判断するための指標になるようなコンテンツです。

たとえば

  • このブログは、誰に向けて、どのような情報を発信しているのか
  • この情報は信頼できるのか、運営者はどんな背景を持っているのか

といった情報が、それに該当します。

したがって、ヘッダーメニューやサイドバーメニューの上部には、次のようなコンテンツを優先的に配置するのが効果的です。

ブログの趣旨や目的を説明したページ(例:「このブログについて」)
運営者のプロフィールや実績を紹介したページ(例:「プロフィール」「自己紹介」)

たとえば、あなた自身が「まず最初にこれを読んでほしい」と思う記事があるなら、それをサイドバーの最上部に配置し、「はじめに」「このブログを読む前に」といった直感的なメニュータイトルを付けておくと効果的です。

同様に、「自己紹介」「プロフィール」などのタイトルで、運営者の人となりを伝えるコンテンツを目立つ場所に配置することで、新規読者の信頼感や興味を高めやすくなります。

ここで、メニュー配置に関する基本的な原則を整理しておきましょう。

  • ヘッダーメニューでは、左側にある項目ほど目に入りやすく、クリックされやすい
  • サイドバーメニューでは、上に配置された項目ほど注目され、クリックされやすい

この基本を踏まえて、「新規訪問者に最初に読んでほしい記事」や「信頼感を高めるための情報」を、目立つ位置に優先的に配置するようにしましょう。

どのコンテンツをどこに配置するかは、あなた自身の運営方針やブログの構成目的によって最適化されるべきです。

訪問者の導線を意識したメニュー設計は、読者体験を大きく左右する要素となります。

優先度を下げるべきメニューコンテンツ

ヘッダーメニューやサイドバーメニューに配置するコンテンツの中でも、優先度を高くすべきではない項目があります。

代表的なものは以下のようなものです。

  • メールマガジン登録(オプトイン)ページへのバナー画像
  • 同上への誘導リンク
  • 推奨商品に関するバナー画像
  • 推奨商品の一覧ページへのリンク

これらは、実際に多くのブログで目立つ位置に配置されがちですが、新規訪問者に対して早い段階でクリックを促すことにはリスクが伴います。

なぜなら、まだ十分に信頼関係が構築できていない段階でこのようなリンクを提示してしまうと、訪問者がそのまま離脱してしまう可能性が高いからです。

つまり、本来「見込み客」となり得た人を、適切な導線を設けることなく逃してしまう原因になり得るのです。

その他、優先的に設置すべきメニューコンテンツ

ヘッダーやサイドバーに掲載すべき、重要度の高いメニューコンテンツとして、

  • ブログ内の主要コンテンツを一覧形式でまとめたページ

これも忘れてはならないコンテンツです。

ブログに記事が増えてくると、コンテンツが豊富になる一方で、どこに何があるのか分かりづらくなるという課題も出てきます。

これは読者にとっても、運営者自身にとっても同様です。

そんなとき、テーマやカテゴリごとに整理された「まとめページ(目次)」のようなコンテンツがあれば、訪問者はそこから必要な情報にスムーズにアクセスできるようになります。

このような一覧コンテンツは、特に新規訪問者にとって有効です。

「どんな記事があるのか」「自分にとって役立つ情報があるか」を一目で確認できるため、ブログ全体の回遊性を高める効果があります。

また、メニューコンテンツとして設置しておくと効果的なものに、以下のような訪問者との接点となる導線があります。

  • お問い合わせフォーム
  • メールアドレスへのリンク

こうした「問い合わせフォーム」や「連絡手段」は、単なる機能的な役割にとどまらず、運営者の信頼性や開かれた姿勢を印象付けるという点で、ブランディング効果も非常に高いです。

さらに、読者からの問い合わせや相談は、見込み客の“生の声”を直接得られる貴重な機会でもあります。

これは、「ターゲットリサーチ」の観点から見ても極めて重要であり、ブログ運営の質を高めるヒントとなる情報源です。

こうした理由からも、「お問い合わせフォーム」や「メールアドレス」など、訪問者とのコンタクト手段は、必ずメニューコンテンツ内に設置することを強く推奨します。

ブログを通じて信頼を築き、価値提供を重ねていくうえで、「いつでも相談できる環境」を見せることは、長期的な関係構築のうえで大きな力になります。

フッターメニューのカスタマイズ

フッターメニューは、ブログの最下部に配置できるナビゲーションメニューです。

このメニューは、ブログ運営において必須の要素ではなく、設置しなくても大きな問題はありません。

多くのブログテンプレートやWordPressの初期設定では、あらかじめ何らかのコンテンツがこのフッターに表示されている場合がほとんどですが、それを特にカスタマイズせずに使っても問題ありません。

つまり、フッターメニューはブログ全体の反応や成果に直結するような「重要度の高い領域」ではない、ということです。

とはいえ、フッターメニューにも一定の活用価値があります。

特に注目すべきは、「記事を最後まで読み終えた訪問者」が目にする可能性があるという点です。

そのため、フッターにはその流れの中で自然に目にしてもらいたいコンテンツを配置するのが有効です。

たとえば、次のような内容が適しています。

簡単なプロフィール情報
感想や問い合わせができるメッセージフォーム

これらは、読者が記事を読み終えたタイミングで、

「このブログ、面白かったけど、誰が書いてるんだろう?」
「ちょっと質問してみたい」

と感じたときに、そのままスムーズに次のアクションへ移れるようにするための導線になります。

フッターメニューをカスタマイズする際は、

  • 読者が記事を最後まで読んだあとに自然と目にする場所である
  • その流れに沿って表示したい情報を意識的に配置する

という2つの視点を持って構成することが大切です。

特に、新規の訪問者に向けて「運営者への信頼感」や「問い合わせのしやすさ」を高めるためにも、プロフィール情報やメッセージフォームのようなコンテンツは効果的です。

フッターは決して注目されやすい場所ではありませんが、読者との最後の接点になり得る場所です。

その特性を理解したうえで、記事を読み終えた人の心理に沿ったコンテンツをさりげなく配置していきましょう。

>次の講義「ブログ構築の完全ガイド:媒体選びから設定・デザインまで総整理」へ