DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)を成功させるためには、ターゲットの「悩み」や「願望」を的確に理解し、それに応える情報を届けることが不可欠です。
では、見込み客が何に悩み、何を望んでいるのかをどう把握するか。
その最も現実的で効果的な方法が、「売れているセールスコピーを俯瞰的に読み込む」ことです。
売れている広告を読めば、ターゲットの本音が見えてくる
売れている商品には、当然ながら反応しているターゲットが存在します。
つまり、商品が売れている=そのコピーに反応している人がいるということ。
特に、情報商材などを扱うASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)では、「売上ランキング」などが公開されているため、どの広告が成果を上げているのかが一目で分かります。
そのようなセールスレターに目を通すことで、
- 見込み客はどんな悩みを抱えているのか?
- どんな未来を望んでいるのか?
こうした“反応の引き金”になっている感情や心理状態を、広告文面から読み解くことができるのです。
ここで重要なのが、ただ表面的にコピーを読み流すのではなく、俯瞰的に読み込む姿勢です。
コピーを俯瞰して読むとは、
「その広告を読んで反応しているターゲットの心理を、文章の裏から読み取っていくこと」
つまり、
なぜこのフレーズに読者は共感して財布を開いたのか?
どんな悩みや願望が、その商品に興味を持たせたのか?
こういった観点で、1つ1つのコピーを“設計者の意図”と“読者の心情”の両面から見つめ直すことが大切です。
ここでよくある落とし穴は、自分が発信するテーマにだけ関連する広告だけをリサーチ対象にしてしまうことです。
たとえば、あなたが「生成AI」をテーマに情報発信をしようとしていて、ターゲットを「ネットやアフィリエイトで稼ぎたい人」と設定したとしましょう。
この場合、生成AIに関する広告だけでなく、
- アフィリエイト系商材
- SNS運用系商材(X、YouTubeなど)
- ネット転売系商材
など、ターゲットが関心を持ちそうな広告全般をリサーチ対象にすべきです。
なぜなら、ターゲットの本音(悩みや願望)は、テーマそのものではなく、「稼ぎたい」「人生を変えたい」といった根源的な欲求に紐づいているからです。
テーマと広告ジャンルの直接的な関連性は、必ずしも重視する必要はありません。
重要なのは、誰に向けて発信していくのか=ターゲットの理解にあります。
実際にリサーチを進める際には、次のような流れで行うと効果的です。
▷ ステップ1:広告を読みながら、見込み客の「悩み」や「願望」に気づいたら即メモ
手書きでもPCでも構いません。
重要なのは、感じ取ったことをその場で書き出すことです。
▷ ステップ2:広告ごとに書き出した悩み・願望を蓄積していく
それらが自然と、見込み客の心の中にある“課題リスト”になっていきます。
▷ ステップ3:「新しい広告を見ても、すでに出てきた悩みや願望しか書き出せなくなった」段階まで繰り返す
この時点で、あなたのターゲットにとっての主な悩み・願望が“ほぼ網羅された状態”といえます。
広告文は単なる販促の道具ではなく、「リアルな反応」が詰まった貴重な教材です。
そのコピーに人が反応し、商品が売れているという事実は、それだけ強い“人間の感情”が動いた証拠。
だからこそ、ターゲットリサーチの本質は、
“人間”の悩み・願望・心理を見抜くこと
この姿勢でコピーを読み解いていくことで、あなたの情報発信は、より深く、より共感され、より成果につながるものへと進化していきます。
知識レベルと認識を読み取る
また、ターゲットのリサーチでは、悩みや願望に加えて、「知識」と「認識」のリサーチも重要な要素になります。
先程お伝えした通り、ターゲットが反応しているセールスレター(広告)を俯瞰的に読み進める際は、
- なぜそのコピーに反応したのか
- どんな悩みや願望を抱えているのか
といった点に加えて、
- どの程度の知識を持っているのか
- どのような前提認識を持っているのか
という“理解のレベル”や“物事の捉え方”も併せて見ていくことがポイントです。
たとえば、アフィリエイトに関するテーマを扱う場合、見込み客がすでに次のような知識や前提を持っていることがあります。
- 過去に無料ブログやSNSで収益化に挑戦した経験がある
- 初心者向けの方法と難易度が高い方法の区別をある程度理解している
- 特定のノウハウで「稼げなかった」体験を経て、新しい手法を探している
こうした知識や認識は、ターゲット自身の実体験によるものだけでなく、ネットやSNS、他の教材などからの情報によって自然と蓄積されているケースも多く見られます。
つまり、情報発信する側としては、ターゲットがすでに知っていることや「それ、もう聞いたことがある」と思ってしまうような前提情報を、事前に把握しておく必要があるのです。
この「ターゲットの知識レベル」や「物事の認識」は、ターゲットが強く反応している広告(=売れているセールスレター)を分析することで読み取ることができます。
特に注目すべきポイントは以下の通りです。
- 広告内で使われている専門用語
- 展開されているロジック(理屈やストーリー展開)
- 提示されている前提情報や常識的な表現
これらは、ターゲットが“当然のように理解できている”前提で語られているものであるため、その広告に反応している人たちが、どのような知識や認識を持っているかの“生きた指標”になります。
逆に、読者の多くが理解できない専門用語を連発したり、納得できない理屈を展開しているような広告では、そもそも高い反応は得られません。
実際にリサーチを進めていく中で、もし自分が知らない言葉や、理解できない論理展開に出会ったら、それは、あなたにとっても「学ぶべき領域」であるということです。
ただしここで大切なのは、「その理屈が正しいかどうか」よりも、
「ターゲットがその内容をどう認識しているか」
「その用語やロジックを、ターゲットはどう捉えているか」
という“ターゲット視点”で理解することです。
広告に書かれている情報が、正しいか間違っているかを判断することが目的ではありません。
重要なのは、その広告に反応している人たちが、どういう世界観や前提で物事を見ているのかを把握することです。
ターゲットの知識と認識を押さえるために、広告を読む際は以下の点を意識してください。
- よく使われている専門用語は何か
- どんなロジックや前提で話が展開されているか
- ターゲットにとって常識とされている考え方は何か
こうした情報を「指標」として読み取りながら、ターゲットが“何を知っていて”“どのように物事を捉えているのか”を、広告の文面から逆算していきましょう。
DRMにおいて効果的なメッセージを届けるには、見込み客と“同じ目線に立つこと”が欠かせません。
そのために、「知識レベル」や「前提認識」を丁寧にリサーチしていくことは、メッセージの精度を高めるための“土台づくり”とも言える重要なステップです。
そしてその手がかりは、すべてターゲットが実際に反応している広告の中にある。
だからこそ、広告を読むときは、単なる文章の内容ではなく、その奥にある「読者の常識や前提」に目を向けていくことが重要です。
メディア構築後の“生の声”こそ、最も価値ある情報源
これまでにご紹介してきたターゲットリサーチのステップは、あくまでも情報発信を始める「準備段階」、つまりメディア構築前に行うべきリサーチです。
この段階では、ターゲットとなる人たちがどんな悩みを抱え、何を求めていて、どのような知識や認識を持っているのかを、間接的な手段(広告・セールスレター・リサーチ)から読み取っていく必要がありました。
しかし、メディアを立ち上げ、実際に見込み客が集まってくるようになると、よりダイレクトでリアルな情報源=“生の声”が手に入るようになります。
情報発信における「ターゲット」は、言い換えれば自分のメディアに集まってくる読者・訪問者のこと。
つまり、その人たちの声に直接耳を傾けることが、最も精度の高いターゲット理解につながります。
ブログであれば「お問い合わせフォーム」や「コメント欄」、メールマガジンであれば「質問・相談受付フォーム」などを設置することで、訪問者や読者からのリアルな悩み・疑問が自然と集まってくるようになります。
ただし、こうした「生の声」は、メディアがある程度育ち、見込み客が集まってくるようになって初めて得られる情報です。
だからこそ、メディア構築前の段階では、先にご紹介した通り、広告やセールスレターなどから、仮説としてのターゲット像を描き、その仮説に基づいて発信を始める必要があります。
そして、メディア運営を進める中で少しずつ「生の声」が集まってきたら、それらをもとにターゲット像を修正・アップデートしていく。
このサイクルこそが、精度の高い情報発信を持続的に育てていくカギとなります。
ブログやメルマガといった自分のメディアを構築する際には、できるだけ早い段階から以下のような“声を拾う仕組み”を用意しておきましょう。
- お問い合わせフォームの設置(相談・質問を歓迎する文言を添える)
- メルマガ内で「質問募集中」「ご意見はこちらへ」などの導線を作る
- コメント欄や返信フォームで自由に投稿してもらえる環境を整える
こうした仕組みがあるだけで、見込み客の方から“今困っていること”“求めていること”が届くようになります。
その声は、あなたの情報発信の方向性や商品設計、ステップメール、セールスコピーの改善など、あらゆるマーケティング施策の最強の材料になります。
ターゲットを深く理解するうえで、最も信頼できるのが、ターゲット自身の言葉です。
だからこそ、メディア構築が進んだあとは、常にその「生の声」にアンテナを張り、できるだけ多くのリアルな情報を吸い上げていく仕組みを整えておきましょう。
最初のリサーチは“仮説づくり”ですが、メディア運営中に集まる「生の声」は、仮説を現実に近づけていくための答え合わせでもあり、“次の施策”を形にするための、最も価値ある情報源です。
ターゲットリサーチの総まとめ
これまでに解説してきたリサーチのポイントを整理しながら、実践的な行動ステップとして再確認していきましょう。
押さえるべき3つのリサーチ視点
ターゲットリサーチを行う際には、以下の3つの観点を中心にリサーチを進めます。
- 見込み客が「何に悩んでいるのか」
- 見込み客が「何を望んでいるのか」
- 見込み客が「どのような知識や認識を持っているのか」
この3つは、「ターゲットを理解する」ための軸となる要素です。
情報発信の前提として、彼らの悩み・願望だけでなく、知識レベルや世界の捉え方にも目を向ける必要があります。
悩みと願望のリサーチ
ターゲットの悩みや願望を把握するには、彼らが反応している広告(=売れているセールスレター)を読み解くのが最も効果的です。
たとえば、
- なぜこの広告に反応しているのか?
- どのような悩みや欲求を前提に構成されているのか?
といった視点で読み進めることで、見込み客の深層にある問題や望みに触れることができます。
ポイントは、「悩み」や「願望」を一度書き出し、そのリストがどの広告にも当てはまるようになるまで、あらゆる広告を対象にリサーチを繰り返すこと。
そうすることで、ターゲットが本当に抱えているコアなニーズが浮き彫りになってきます。
知識と認識のリサーチ
もう一つ重要なのが、ターゲットの知識レベルや認識の傾向を把握することです。
これも、売れている広告を“指標”にすることで見えてきます。
- 高反応なセールスレターに登場する専門用語
- 論理展開の仕方や前提とされている価値観
こうした内容は、広告の読者層にとって「理解できて当然のもの」であることが前提です。
つまり、それらが使われているという事実そのものが、ターゲットの知識や認識の水準を示しているということです。
もし自分がその用語や理屈にピンと来なければ、それはまだターゲットの理解が浅いということ。
しっかりと理解・吸収し、自分の中に落とし込むことで、より共感を得られる発信ができるようになります。
メディア構築後は「生の声」が最大の情報源に
リサーチによって得た仮説をもとにメディアを構築し、見込み客が集まってくるようになると、次に活かせるのが「生の声」です。
ブログならお問い合わせフォーム、メルマガなら質問や返信の受付など、直接読者から届くメッセージには、彼らのリアルな悩み・願望がストレートに表れます。
これらは、リサーチで仮説として導き出した情報を現実のデータで検証し、アップデートするための最重要素材です。
メディアを育てながら、読者との接点をつくり、その声に耳を傾ける仕組みを整えていく。
それが、ターゲット理解を深化させる次のフェーズとなります。
仮説→実践→検証のサイクルが、ターゲット理解を育てる
ターゲットリサーチは、一度で終わる作業ではありません。
広告やセールスレターから悩み・願望・知識を読み解く「仮説の構築」と、実際のメディア運営を通じて「生の声」で検証し続けること。
このサイクルを回すことで、発信の精度は高まり、結果としてビジネスの成果へとつながっていきます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
「DRM講座」における「ターゲットリサーチ」セクションの解説は以上となります。
講座全体の構成や、他のセクションについても確認したい場合は、以下のまとめページにて一覧をご覧いただけます。必要に応じて、復習や理解の整理にご活用ください。
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