成約解析 ― そのメディアの販促力を可視化するために

アフィリエイトにおいて「成約率」を分析する際には、まず基本となる数字として「アフィリエイトリンクのクリック数」と、それに対する「成約数(売上件数)」を確認する必要があります。

この2つの数字は、通常、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)のアフィリエイター専用の管理画面から直接確認できます。

さらに、ASPによっては「商品の販売ページ(セールスレター)自体の成約率」──つまり、その商品が全体としてどのくらい売れているか、という平均的な指標も確認できるはずです。

このセールスレターの成約率は、すべてのアフィリエイターからのアクセスを対象とした、いわば「全体平均値」とも言える数値です。

したがって、自身のメディア経由の成約率がこの数値を下回っている場合、それは「自分のメディアが本来果たすべき販促力を発揮できていない状態」であると捉えるべきです。

この場合、次のような改善余地があると考えられます。

・メディア内の販促導線(アフィリエイトリンクまでの誘導ルート)の見直し
・販促コンテンツ自体のブラッシュアップ

一方で、仮に成約率そのものが高くても、クリック数が少なければ売上も当然伸びません。

いくらCVR(コンバージョン率)が良好であっても、母数が不足していては意味がないのです。

DRMを展開するメディアにおいて真に目指すべき状態とは、「成約率が高いメディア」ではなく、「より多くの売上を実現できるメディア」であるはずです。

その目的を達成するための成約解析における中心的なポイントは、以下の2つに集約されます。

販促コンテンツへの誘導はできているか?

「成約率」を分析するにあたって最初に確認すべきは、そもそも自分のメディア内で「販促を担うコンテンツ」へ、どれだけの読者を誘導できているのかという点です。

ここでいう「販促を担うコンテンツ」とは、主にアフィリエイトリンクを掲載し、商品やサービスの紹介・レビュー・推奨を行っているページのことです。

とくにDRMにおいては、これらのコンテンツへの主な誘導元は「メールマガジンの読者」です。

つまり、オプトインを経た見込み客に対し、どれだけの確率で販促ページへ案内できているかが重要となります。

この時点での指標となるのが、「メール読者数に対しての販促コンテンツへの誘導数」です。

理想的には、読者数より多い誘導数──つまり、1人の読者に対して複数回の誘導が行われている状態が望ましく、最低でも「読者数と同等の誘導数」は達成しておきたい基準です。

メール誘導においては、以下のような状況を踏まえる必要があります。

・メルマガを開封していない読者
・誘導先に対して初回で反応しなかった読者
・すでに反応が鈍くなっている読者

これらを前提に、1回だけでなく2回、3回と販促誘導を重ねていく必要があるため、誘導数が読者数以上という目標は現実的かつ妥当な指標といえます。

誘導率が想定より低い場合、主に改善すべきポイントは以下のとおりです。

・誘導を担うメルマガ本文の見直し
・誘導メルマガの件名の改善による開封率アップ

ただし、誘導率は「メルマガ単体の改善」だけで劇的に向上するわけではありません。

そのメルマガに至るまでの教育プロセスや、ブランディングの質、あるいはオプトイン段階での読者の意識レベルも大きく関係します。

したがって、誘導率を本質的に高めたい場合は、誘導を担うメルマガ本文だけでなく、

・その前段となるステップメールの構成
・オプトインページの訴求力

など、読者がそのメールを読むに至る全体の設計を見直していく必要があります。

アフィリエイトリンクはしっかりクリックされているか?

アフィリエイトを目的とするメディアにおける“出口”は、まさにアフィリエイトリンクです。

どれだけ良質な読者を集め、的確な誘導ができていたとしても、肝心のリンクがクリックされていなければ、成果は一切発生しません。

したがって、成約率に至る前にまず注目すべきは、販促用コンテンツ内に設置されたアフィリエイトリンクの「クリック数」や「クリック率」です。

すでに誘導段階が十分に機能している状態であれば、次の解析ポイントは以下の2つに集約されます。

・販促コンテンツ内のアフィリエイトリンクが実際にクリックされているか
・そのリンクを経由した訪問者が、商品を成約しているか

この2つの数字を検証し、改善していく工程こそが、メディア解析における「最終ステップ」です。

ここでも中心となるのは、やはり販促を担っているコンテンツです。

どれだけクリックされるか、そしてどれだけ成約に結びつくか──その両方の数値は、コンテンツの質と構成によって大きく左右されます。

では、改善のために注目すべき具体的なポイントは何か。

次のように分類して把握するとわかりやすくなります。

<アフィリエイトリンクのクリック率を高めるための改善ポイント>
・コンテンツ冒頭での「興味喚起」ができているか
・商品の魅力、機能、特徴が明確に伝わっているか
・ベネフィット(得られる結果・変化)が具体的に描かれているか
・アフィリエイトリンクに誘導する文言が、読み手の行動意欲を引き出せているか

<成約率を高めるための改善ポイント>
・提示している「特典」が十分に魅力的か
・購入に対する不安や懸念をきちんと払拭・クロージングできているか

これらの観点を踏まえたうえで、販促コンテンツを定期的に見直し、ブラッシュアップしていく必要があります。

DRMにおいては、読者を「教育」しながら「誘導」し、「購入」までつなげていくという段階的な流れが基本です。

つまり、リンクのクリック率だけが高くても売上は伸びず、成約率だけが高くても、クリック数がなければ成果は出ません。

本当の意味で高い売上を実現するには、この2つの数字──クリック率と成約率の「両方を伸ばしていくこと」が求められるのです。

成約解析の全体像:DRMメディアの成果を最大化するために

ここまでの話をまとめると、DRMを展開するメディアにおける「成約解析」は、次のような段階を踏んで進めるのが理想的です。

まずは、前段階である「オプトイン解析」によって、見込み客を適切に集めるところからスタートします。

そのうえで、

・メディア内で、販促を担うコンテンツにきちんと誘導できているか
・その販促コンテンツ内で、アフィリエイトリンクがしっかりクリックされているか
 → そして、そのリンク経由で成約に至っているか

という流れを一つひとつ検証・改善していくことで、売上という成果を着実に積み上げていくことが可能になります。

成約率を高める施策と、オプトイン率を高める施策。

この2つがかみ合えば、そのメディアが生み出す売上は、確実にスケールしていきます。

成約解析とは、単に数値を見るだけでなく、「どこを改善すれば、より多くの成果に結びつくのか」というポイントを具体的に洗い出すプロセスです。

この全体像を正しく理解し、順を追って改善を進めることで、メディアの収益性は飛躍的に高まっていくはずです。

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