「OpenSeaでNFTを売れば儲かるらしいよ」
「イーサリアムでAI画像を出品すれば、世界中に届けられるよ」
そんな声に背中を押され、私もその波に乗ってみたひとりでした。
ChatGPTでシナリオを作成し、Midjourneyで4コマ漫画風の画像を生成。
どこかで見たことがあるような“人気アニメ風”の構図と色彩で、「これはウケるかもしれない」と、当時はわりと本気で思っていました。
ビットコインの少額保有分をイーサリアムに換金し、OpenSeaのウォレットに送金。
出品に必要なガス代(手数料)を支払い、ついにNFTとして公開。
「ついに、生成AIで自分もNFTクリエイターの仲間入りだ」と、心の中ではちょっと誇らしい気持ちもあったと思います。
ですが、結果は、まったく売れませんでした。
1つも、です。
閲覧数もほとんど伸びず、SNSで告知しても反応ゼロ。
時間と手数料をかけたはずの“作品たち”は、広大なNFTの海の底に沈んでいきました。
その後、「OpenSeaでは無理でも、Adobe Stockなら売れるかも?」と考えて同様の素材を出品。
しかし、そこでも結果は変わらず。
“生成AI × 画像販売”という夢に期待したはずが、現実はあまりに静かなものでした。
この記事では、そんな実体験ベースの「NFT画像販売の失敗談」を、できるだけ赤裸々にお話ししながら、「なぜ売れなかったのか?」「生成AIをどう使えば価値が生まれるのか?」を、冷静に振り返っていきます。
今、あなたがAIやネットビジネスで収益を得たいと考えているなら、その前にぜひ知っておいてほしい内容があります。
AIなら誰でも稼げる
NFTなら売れる
そんな幻想に振り回されないために、この実体験が、少しでもあなたの判断や行動のヒントになれば幸いです。
なぜOpenSeaでNFT販売を始めようと思ったのか
きっかけは、「生成AIで画像を作ってNFTに出せば、もしかしたら稼げるかもしれない」という、シンプルな期待と好奇心からでした。
当時、X(旧Twitter)やYouTubeなどでは、
「Midjourneyで生成したAIアートをOpenSeaでNFT化→売れる!」
といった情報が数多く流れており、どれも夢があって華やかでした。
私自身、ChatGPTを日常的に使っていたこともあり、ふと「じゃあ、自分で4コマ漫画のストーリーを作って、各コマのビジュアルを生成すれば…?」という発想に至ったんです。
ChatGPTで1話あたりのプロットを組み立て、Midjourneyでそれに合う4枚の画像を生成。
テーマは、ちょっとファンタジックで、どこか「ジブリ風」の柔らかさを感じさせる世界観。
ビジュアル的にも映えていたし、構図やタッチはSNSでよくバズっている“あの感じ”に近かったので、「これはいけるかも」と、根拠の薄い自信すら湧いてきました。
出品準備も“新鮮で楽しかった”
販売プラットフォームとして選んだのは、世界最大級のNFTマーケットプレイスOpenSea。
「NFTといえばここ」的な存在感もあり、最初に思い浮かんだのがこのサイトでした。
幸い、以前趣味で買っていた少額のビットコインが残っていたので、それをイーサリアム(ETH)に換金し、OpenSeaのウォレット(MetaMask)へ送金。
出品の際に必要となる“ガス代”と呼ばれる手数料も、それで支払いました。
NFTとしての登録や出品作業は、初めて触るにはやや取っつきづらさはありましたが、ひとつずつ手順を踏むたびに「クリエイターになったような感覚」があって、妙な高揚感すら感じていたことをよく覚えています。
最初の4コマをアップしたときは、「いよいよ自分の作品がブロックチェーンに刻まれた!」という達成感に包まれ、それをSNSで告知したり、自分のnoteに貼ったり、販売ページを整えたり…と、いわゆる“出品作業”にワクワクしながら取り組んでいました。
「売れたらどうしよう?」なんて、まだ甘かった
この段階では正直、「売れるかどうか」よりも「NFTにしたこと」に満足していた部分がありました。
それでも心のどこかでは、
「誰かが買ってくれるかも」
「Xで拡散されれば注目されるかも」
「フォロワーが少なくても、いい作品なら勝手に広がるんじゃ…」
といった、少し夢見がちな期待を持っていたのも事実です。
現実がどうだったか。
それは、この後にお伝えする通りです。
しかし今になって思うと、この時点ですでに、「売る仕組み」や「届ける相手のこと」を何も考えていなかったことが、結果として“売れない理由の核心”につながっていたのだと思います。
結果は…全く売れなかった。その現実とモヤモヤ
意気揚々とOpenSeaにNFT作品を出品したものの、その後待ち受けていたのは「まるで存在していないかのような反応のなさ」でした。
公開初日、ウォレットを確認して、ひとまず販売ページがきちんと表示されていることを確認。
X(旧Twitter)でも作品紹介の投稿をして、ハッシュタグも添えて拡散を試みました。
「NFT」「AIアート」「ジブリ風」「OpenSea」など、それなりに検索されそうなワードも意識したつもりでした。
一定のいいねやリツイートはあったものの、ページの閲覧数は二桁台。
ウォレットにも当然何の変化もありません。
「まぁ、最初はこんなもんだろう」と自分に言い聞かせてはみたものの、1週間経っても、2週間経っても何も起きない状況に、だんだんと冷静になっていく自分がいました。
SNSでも反応なし。noteにまとめても刺さらない
そこで「ただOpenSeaに出すだけじゃダメなんだ」と思い、今度は自分のnoteに制作の背景や意図を書き、画像も載せて、“裏話”を含めた紹介記事として公開しました。
「制作プロセスを共有した方が、共感されやすいはず」
「noteなら文章で伝えられるし、AIの活用法に興味のある層も多い」
そんな期待を持って投稿したものの、こちらも結果は同じ。
ビュー数はそこそこでも、リアクションはほぼゼロ。
SNSに再度シェアしても、アルゴリズムに埋もれるか、
もしくは“いかにも宣伝っぽい投稿”と受け止められてしまったのか、無反応でした。
「じゃあAdobe Stockはどうだろう?」という次の一手も空振りに
OpenSeaが“海外・暗号資産系”なら、「Adobe Stockのような商用プラットフォームなら買われるのでは?」と考えて、生成した画像の中から、より汎用性がありそうなものを選び、Adobe Stockにも出品してみました。
審査に時間はかかりましたが、問題なく通過し、ライセンス販売の対象になったときは、「今度こそ…!」と淡い期待もありました。
しかし現実は、こちらも完全な空振り。
1ヶ月経っても、DL数ゼロ。
売れるどころか、検索すらされていない気配でした。
「AI画像って、思ったよりも競合が多いのか?」
「そもそもAdobe Stockの購買層はこういう絵を求めてないのか?」
考えれば考えるほど、わからないことばかりが増えていきました。
じわじわ感じた「このままだと、ただの自己満足」
OpenSeaでのNFT販売も、Adobe Stockでのライセンス出品も、どちらも「出すところまではできる」んです。
生成AIツールも充実していて、作品自体のクオリティも一定以上ある。
しかし、「出したからといって、誰かが買ってくれるわけではない」という現実が、まるで時間差でじわじわと効いてくるような感覚でした。
そして、何よりモヤモヤしたのが、「なぜ売れなかったのか、明確に説明できない」という状態に自分が陥っていたことです。
もちろん、「自分の作品に価値がなかったのかもしれない」という謙虚な反省はありました。
でもそれだけでは、どこか納得がいかない。
“何か見落としている本質”がある気がしてならなかったんです。
なぜ売れなかったのか?振り返って見えてきた“根本原因”
OpenSeaにも出した。
Adobe Stockにも出した。
生成AIを駆使して、誰でも手軽に始められるNFT販売や画像販売の“形”は整えた。
それなのに、結果は「売れない」という現実。
では、なぜ売れなかったのか?
時間が経ち、気持ちが落ち着いた今だからこそ冷静に振り返ってみると、“根本的な見落とし”がいくつもあったことに気づかされました。
「出せば売れる」と思っていた。これは、今なら危険な幻想だったと思う
最大の原因はこれに尽きます。
「プラットフォームに出品さえすれば、誰かが見つけてくれて、買ってくれるだろう」という思い込み。
たしかに、OpenSeaもAdobe Stockも世界規模のマーケットです。
ユーザーも多く、買い手がどこかにいるのは間違いありません。
でもだからといって、“出しただけで見てもらえる”ほど甘くはなかった。
特にNFT市場には、日に何万点もの新作が出品され、AI生成のアートも珍しくないどころか溢れている状態。
しかもSNSなどで強力なファンベースを持つクリエイターや、マーケティング設計されたプロジェクトが並んでいる中で、“無名の出品者がポンと画像を置いたところで、目に留まるわけがなかった”のです。
「見た目が良ければ売れる」と思っていた。でも、世界観も、文脈も、足りなかった
Midjourneyを使って生成した画像は、個人的にもけっこう気に入っていました。
構図も、色味も、それなりに“映える”し、ジブリ風の柔らかさも出ている。
SNSに載せれば、タイムライン上で目を引くクオリティはあったはずです。
でも、いま振り返ってみると、それは“ただの綺麗な画像”だった。
そこに「物語」もなければ、「作者の想い」も感じられない。
キャラも世界観も薄く、“どこかで見たような絵”に過ぎなかったのです。
今思えば、たとえAIで作った画像でも、
「このキャラクターはどういう性格で、どんな物語の中にいるのか?」
「なぜこの場面なのか?どんな感情を切り取っているのか?」
といった、“コンセプトや背景の文脈”がまったく足りていませんでした。
つまり、作品というより、ただの「素材」。
それでは、誰かの心を動かすことはできなかったのです。
「販売プラットフォームのユーザー層や導線」を何も理解していなかった
OpenSeaやAdobe Stockといったプラットフォームには、それぞれ“買い手の傾向”があります。
・OpenSeaは、暗号資産に慣れたクリプト層やコレクター向け
・Adobe Stockは、デザイン素材や広告・商用利用のための実用的ニーズが中心
しかし、当時の私はそういった「プラットフォーム別の購買動機やユーザー層」について、何の理解もありませんでした。
OpenSeaに出すなら、「そのNFTを保有する意味」や「ユーティリティ」「限定感」が必要だったはずですし、Adobe Stockであれば、「どう使えるのか」「需要があるテーマか」の視点が不可欠でした。
つまり、「自分が売りたい形」だけを優先し、「誰が・なぜ買うのか」の設計がゼロだったということです。
結局、“マーケティング視点”が完全に抜け落ちていた
ここが、実は一番大きな反省点でした。
生成AIを使うと、簡単に“それっぽい作品”ができてしまいます。
だからつい、「これでいけるんじゃないか」と錯覚してしまう。
でも、本当に大事なのは、「どう作るか」ではなく「どう伝えるか」。
そして、「誰に届けるか」「その人にとってどんな価値があるか」という視点。
たとえAIが画像を生成してくれても、マーケットに出すのは“自分”です。
だからこそ、「誰かの欲しいを満たす発信設計」が必要だった。
この考え方がまったくなかった僕は、言ってしまえば「出品者ではなく投稿者」でしかなかったんだと、今ならはっきり分かります。
「生成AIで稼ぐ」は可能。でも、その前に知っておいてほしいこと
ここまで、私自身の失敗談を通じて、「生成AIを使っても、ただ出品しただけでは売れない」という現実をお伝えしてきました。
とはいえ、これは「生成AIでは稼げない」という話では決してありません。
むしろ私は今でも、生成AIは“稼ぐ力”を誰にでも開放する素晴らしいツールだと思っています。
問題は、「ツールがあること」ではなく、そのツールを、どんな“前提と思考”のもとで使っているかということなのです。
私のように、「作って出したからOK」というスタンスでは、たとえどんなに綺麗な画像でも、どれだけ最先端の技術を使っていても、市場では全く響かない。
それを痛感したからこそ、あらためて見えてきたことがあります。
稼ぐためには、「作品」ではなく「価値設計」が必要だった
生成AIで画像を作ることは、もはや誰でもできます。
だからこそ、その“作品自体の質”で勝負するのではなく、「なぜこの作品を作ったのか」「どんな人に、どんな価値を届けたいのか」という設計が必要だったんです。
たとえば
・誰に向けた作品なのか(ターゲット)
・どんな感情やニーズを刺激するのか(ベネフィット)
・なぜ自分がこれを作ったのか(ストーリー・信頼)
・どうやってその人に届けるのか(導線・拡散設計)
このような「考える力」が、AIを使ううえで最も重要なスキルなのだと、私はようやく理解するに至りました。
つまり、生成AIを副業やビジネスに活かすには、“スキル”ではなく“設計力”が必要だったんです。
成果を出している人は、みんな「届ける設計」をしていた
NFT市場や画像販売プラットフォームを改めて見ていくと、成果を出している人にはいくつかの共通点がありました。
・発信力(SNSでの情報発信とファン構築)
・世界観の統一(シリーズ作品やコンセプトの一貫性)
・作品に物語や価値が込められている
・“誰が作ったのか”が伝わる安心感がある
・読者・視聴者・ファンとの接点が明確にある
彼らは、単に「AIで画像を作ったから売れた」わけではありません。
“届ける仕組み”までをきちんと考えて動いていたからこそ、その作品に“売れる意味”が生まれていたのです。
一方、私はどうだったかというと、“売れる理由”を考える前に、“出せること”で満足していた。
これはビジネスとしての設計が、根本的に欠けていたという証拠でした。
「作る力」と「売る力」の間にある“思考の壁”を越える
この経験を通じて、私自身が一番痛感したのは、「創る」と「届ける」はまったく別物であるという事実です。
生成AIツールが進化したことで、“創るハードル”は大きく下がりました。
しかし一方で、“売れるかどうか”の分岐点は今も昔も変わっていない。
売れるものには、必ず“届ける仕組み”がある。
そして、その仕組みをつくるには、マーケティング的な視点と思考の訓練が必要になる。
その視点を知らずに生成AIを使っても、「作って終わり」の自己満足で終わってしまう。
これは、多くの人が陥ってしまう“AI副業の落とし穴”の本質だと感じています。
失敗から学んだ、“伝わる設計”の大切さ
OpenSeaでNFTを出品してみたけど、まったく売れなかった。
Adobe Stockでも同じ結果。
「生成AIを使っていれば、ある程度形になるから…」という安易な期待は、現実の前ではまったく通用しなかった。
でも、今となっては、こう言い切れます。この失敗は、自分にとって“気づくために必要な学び”だった。
なぜなら、私が本当に知らなかったのは、「売るためのテクニック」ではなく、“伝わる設計”という根本的な考え方だったからです。
「ただ出す」ではなく、「誰に、何を、どう届けるか」
生成AIを使えば、画像は簡単に作れます。
ChatGPTを使えば、ストーリーもスラスラ書けるようになります。
それ自体は素晴らしいことで、間違いなく私たちにとって武器になる。
でも、その“生成されたもの”が、誰の目にも触れないまま終わるなら、それは単なるデータです。
そこに命を吹き込むのは、「どう届けるか」「どんな設計をするか」というマーケティングの視点なんです。
実際、NFTで売れている人たちをよく見ると、SNSで物語と一緒に作品を見せていたり、世界観の中に購買メリットを織り込んでいたり、“応援したくなる仕掛け”を用意していたりと、つまり、“買ってもらう導線”をきちんと意識していたわけです。
逆に私は、「誰かに刺さる設計」がまったくできていなかった。
生成AIの力だけに頼って、自分の伝えたいことを伝える努力をしてこなかった。
その結果が、「全く売れない」という、非常に静かなフィードバックでした。
「生成AIで稼ぐ」は、手段じゃなく“向き合い方”の話だった
「AIを使えば簡単に稼げる」とよく聞くけれど、実際には「AIをどう使うか」がすべてであり、そこにどんな意図や思考があるかで、成果はまるで変わってきます。
生成AIは、たしかに強力なツールです。
しかしそれを使いこなすには、「相手の立場に立って価値を届ける」という、極めてアナログな思考と、地道な試行錯誤が必要なんだと、私はこの経験で痛感しました。
これは、きっとNFTでも、画像販売でも、ブログやSNS発信でも、全部同じ。
「稼げる」ことをゴールにするのではなく、“届けたい誰かに伝わる”ことを目指す設計を最初に描けるかどうか。
それが、すべての分かれ道になります。
そして今、私が本当に伝えたいこと
この記事をここまで読んでくださったあなたは、きっと
「生成AIで何かしたい」
「副業を始めたい」
「可能性に賭けてみたい」
そんな気持ちを持っている方だと思います。
だからこそ私は、ただの「失敗談」で終わらせたくありません。
同じように遠回りしてほしくない。
表面的なノウハウに振り回されて、時間やお金をムダにしてほしくない。
そのために、私自身が学んだ“設計の本質”をまとめた解説記事があります。
失敗を経て気づいた「生成AIで稼ぐ前に知っておくべき、設計力の磨き方」について、より体系的にまとめた内容です。
興味のある方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
生成AIで画像販売は稼げる?「売れない人」と「売れる人」の違いと5つの戦略
最後に
この記事は、ある意味、私の“失敗の記録”でもあります。
でもその失敗から得たことは、何にも代えがたい“行動の価値”でした。
生成AIはすごい。
しかし、それ以上に、「何を伝えたいか」「誰に届けたいか」を考える自分自身の姿勢こそが、本当の意味で稼ぐための土台になるのだと、今ならはっきり言えます。
どうか、あなたは“準備不足のままの挑戦”で終わらずに、伝わる設計力を持った、選ばれるクリエイター・発信者になってください。
そしてこの記事が、その第一歩のきっかけになれたなら、本当にうれしく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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