アクセス解析を軸にしたメディア分析の基本構造
DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)を前提とするメディア運用においては、以下の3つの解析ポイントが基本となります。
・アクセス解析
・オプトイン解析
・成約解析
これらのすべての解析の出発点となるのが、最初に集客を担うメディア、つまり「ブログ」におけるアクセス解析です。
この段階で得られる数字やデータを土台にしながら、「オプトインの状況分析」や「成約状況の検証」を行っていくことが、成果につながるメディア改善に直結していきます。
そのため、メディア全体の成果を正しく分析していく第一歩として、まずは集客媒体となるブログにアクセス解析を導入することが不可欠です。
解析ソフトは「最低限の機能」でOK
ここで導入するアクセス解析ツールに関しては、高度で複雑な機能を備えている必要はありません。
DRMにおける成果改善に必要なデータ、つまり
・アクセスデータ
・オプトインに関するデータ
・成約率の確認
この3つが取得できる程度の機能が備わっていれば十分です。
実際、こうした基本的なデータは、多くの無料アクセス解析ソフトでも問題なく取得できます。
解析ソフトは、上記3つのデータが取得できるものであれば、基本的にどれを選んでも構いません。
しかし、利用者が多く、設定方法や活用ノウハウがネット上に豊富にあるという点では、Google アナリティクスがおすすめです。
また、初心者が扱いやすい、必要最低限の機能に絞った解析ソフトとしては、「忍者アクセス解析」も選択肢に入れてよいでしょう。
設置対象と確認すべき点
アクセス解析を設置する際には、下記の3つの対象に導入できるように進めてください。
・ブログ全体のアクセス解析
・オプトインページ(ランディングページ)の解析
・商品を販売するための販促コンテンツの解析
解析ソフトの導入方法については、それぞれの公式ヘルプガイドを参考にするとスムーズです。
また、設置が完了した際は、必ず動作確認を行ってください。
まずは自分自身でサイトにアクセスし、そのアクセスがしっかり1件としてカウントされるかをチェックすれば問題ありません。
アクセス解析の本質と活用の視点
まず押さえておきたいのは、「アクセス解析をすること自体が目的ではない」ということです。
アクセス解析の役割とは、サイトやブログに集まるアクセスの「現状」や「内訳」をただ把握するのではなく、それらのデータを手がかりに、
・今後どんなコンテンツを優先して構築していくべきか
・どのコンテンツにテコ入れ・ブラッシュアップが必要か
といった判断を的確に下すために存在します。
そもそも、アクセス解析を導入していなければ、そのメディアにアクセスが来ているかどうかすら把握できず、根本的な改善の糸口がつかめません。
たとえば、一定期間ブログを運用したあとに「オプトインがまったくない」「成約が取れない」といった壁に直面したとします。
そのとき、アクセス数のデータがあれば、その原因をより具体的に分析できます。
十分なアクセスがあるのに反応がない場合
→ 検索エンジンに評価されているが、コンテンツ自体に問題がある可能性
そもそもアクセスが来ていない場合
→ コンテンツ内容以前の問題として、まずは集客記事の量や質を強化する必要がある
このように、「現状の数字」が把握できるだけでも、次に何をすべきかの方向性が自然と見えてくるわけです。
アクセス解析は、やみくもなコンテンツ改善やテコ入れに貴重な時間と労力を費やすリスクを避けるという意味でも、大きな価値があります。
つまり、無駄な試行錯誤を防ぎ、最短距離で成果を目指すための指針となるわけです。
DRMにおけるアクセス解析の主軸
DRMの最終目的は「成約を得て売上を伸ばすこと」ですが、その前段階である集客メディア(多くの場合はブログ)の主な役割は次の2点に集約されます。
・検索エンジンから見込み客を呼び込むこと
・訪問者をオプトイン(リスト化)へと導くこと
この役割から逆算すれば、アクセス解析のポイントとして重視すべきなのは、「オプトイン率」ということになります。
なぜなら、ブログを訪れたユーザーがコンテンツに価値を感じ、具体的な反応を示した結果として起こるのがオプトイン行動だからです。
つまり、ブログの出口にあたる「オプトインページ」へ、どれだけ自然に、かつ効果的に誘導できているか。
その精度が、そのまま集客メディアの反応を表す重要な指標となります。
オプトイン率はどう測るか?
基本的に、アクセス解析ツールそのものは「オプトイン率」を直接表示する機能は持っていません。
しかし、以下のようにしてオプトイン率を算出することは可能です。
・ブログ全体のアクセス数
・実際のオプトイン(読者登録)数
この2つのデータが揃えば、単純な計算でオプトイン率を導き出すことができます。
(例:100アクセスに対して10件の登録があれば、オプトイン率は10%)
このオプトイン率を定期的に確認することで、
・どのページ・導線がボトルネックになっているか
・どんな内容が登録につながりやすいか
といった「改善すべきポイント」が明確になってきます。
そしてその結果を踏まえて、
・コンテンツ内容の再構築
・LPや導線の改善
・記事や見出しのブラッシュアップ
といった施策を実行することで、オプトイン率を高め、メディア全体の成果を段階的に底上げしていく。
それが、成果の出る運用型メディアとしての王道的な成長ステップです。
オプトイン解析における第一の視点
オプトイン(読者登録)が思うように集まらない──そのような状況に直面した場合、まず最初に行うべきは「トラフィック(アクセス)の有無」の確認です。
この段階では、まずは「そもそもメディア(ブログ)に十分なアクセスが来ているのかどうか」を見極めてください。
というのも、そもそもアクセスがなければ、オプトインが発生しないのは当然のことだからです。
そのため、オプトインがない・少ないと感じたときに、最初からコンテンツ内容のブラッシュアップや改善に目を向けるのではなく、「まずはアクセス数のボトルネックを疑う」ことが重要になります。
もしアクセス数そのものがほとんど無い、または非常に少ない場合は、コンテンツの質を磨くよりも先に、「集客に直結する記事・コンテンツを増やす」という施策を最優先すべきです。
ただし、すでにある程度のボリュームで記事を投稿しているにも関わらず、トラフィックが伸びていない場合、その原因として考えられるのは主に以下の2つです。
・狙っているキーワードが間違っている
・コンテンツが検索エンジンから評価されていない
このいずれか、あるいは両方が原因となっている可能性が高いと判断できます。
キーワードの狙い方に問題がある場合
この場合、主に以下のような要因が隠れています。
・選定したキーワードがほとんど検索されていない(検索ボリュームが極端に少ない)
・検索ボリュームはあるものの、上位表示を独占しているライバルが強すぎる
このような場合は、記事の内容を改善するよりも先に、「キーワードの見直しと再設計」が必要です。たとえば、
・一定以上の検索数があるキーワードをターゲットにする
・強すぎる競合キーワードを避け、複合キーワード(ロングテールキーワード)を工夫する
といった対策を講じることが、現実的かつ効果的な改善策となります。
コンテンツ自体に問題がある場合
一方で、「コンテンツが検索エンジンに評価されていない」ことが原因でアクセスが伸びない場合には、以下のような要因が考えられます。
・キーワードの選定は間違っていないが、それに沿った適切なコンテンツになっていない
・そもそもコンテンツの中身が薄く、検索エンジンにとって有益と判断されていない
このような場合には、単に記事を投稿するだけでは成果につながりません。
記事タイトルや構成を含めたコンテンツ全体の見直し、さらには情報の深さ・質の向上に取り組む必要があります。
つまり、「狙っているキーワードは適切か」「そのキーワードに対して内容が伴っているか」の両軸から、コンテンツを客観的に再評価していく必要があるということです。
どちらに原因があるかを見極める視点
「キーワード選定に問題がない」のであれば、アクセスが来ない主な原因は「コンテンツが評価されていないこと」に集約されます。
反対に、「コンテンツは評価されているのにアクセスが伸びない」のであれば、その理由は「そもそも狙っているキーワードが悪い(検索されていない or 競合が強すぎる)」という点にあるはずです。
いずれにせよ、一定数の記事を投稿しているにも関わらずアクセスが集まらないのであれば、
・キーワードの選定と戦略の見直し
・コンテンツの内容・構成の見直し
このどちらか、もしくは両方の施策を進めることが必要不可欠です。
オプトイン解析:反応を高めるためのメディア診断と改善ステップ
先程触れたように、アクセス(トラフィック)が根本的に不足している場合は、まずは集客コンテンツを増やす施策が必要です。
しかし、「トラフィックは十分に来ている」にもかかわらず、「オプトイン率(読者登録率)が著しく低い」というケースでは、オプトインが取れない原因をより深く解析していく必要があります。
そのためのチェックポイントは、主に以下の3つです。
・トラフィックの属性はメディアのテーマと合致しているか
・ユニークアクセス(UU)に対してページビュー(PV)は伸びているか
・オプトインページへの誘導ができているか、また誘導先で反応が取れているか
それぞれの視点について順に解説していきます。
トラフィックの属性とテーマの整合性
トラフィックがあるにも関わらずオプトイン率が低い一因として、「アクセスの属性」がメディアのテーマと合っていない可能性が挙げられます。
検索上位に偶然表示された記事や、意図していなかったキーワード経由のアクセスが増えた場合、そもそも見込み客でない層が集まっているケースがあります。
そうなると、いくらアクセスがあっても反応(オプトイン)には繋がりません。
このようなときにチェックすべき解析データは次の2つです。
・アクセス元の内訳と一覧
・検索キーワードの内訳と一覧
もし、検索キーワードがテーマと関係のないものであれば、トラフィックは実質的に“無意味”と判断できます。
その場合は、狙うべきキーワードを再設計し、コンテンツの構成と方向性も含めて見直すことが有効です。
一方で、トラフィックがメディアのテーマにしっかりマッチしているにもかかわらずオプトインが取れていないのであれば、次の解析ステップとして「コンテンツの反応」を深掘りしていく必要があります。
ユニークアクセスとページビューの関係性
オプトイン率が低いメディアの「訪問者の反応」を計る前段階として、ユニークアクセス(UU)に対するページビュー(PV)の関係を見ることが非常に有効です。
・UU(ユニークアクセス):純粋な訪問者数
・PV(ページビュー):その訪問者が見たページの数
1人が複数のページを閲覧すればPVは増え、閲覧せずに離脱すればUUとPVは同値に近くなります。
したがって、UUに対してPVが多ければ、訪問者がコンテンツを巡回している証拠であり、逆に差がなければ「訪問後すぐに離脱している」状況と考えられます。
この比率が低い場合、最も改善すべきは「検索流入の入口となっているコンテンツ」です。
訪問者が最初に訪れる記事において
・コンテンツに価値を感じていない
・他の記事への興味が湧いていない
このような状態が考えられ、結果として他ページに遷移せずに離脱してしまいます。
そこで、まずは検索上位表示されている記事から優先的に質を高めていくことが必要です。
ブラッシュアップすべき主なポイント
・上位表示されているキーワードの確認
・そのキーワードで検索する人が求める情報が提供されているか
・記事の最後に他のページへ自然に誘導する設計がなされているか
これらを意識してページビューを伸ばすことで、結果的にオプトイン率の改善にもつながります。
オプトインページへの誘導と登録反応
UUとPVの数値に問題がないにもかかわらず、オプトイン率が低い場合は、次の2点を重点的に確認してください。
・オプトインページへの誘導率(=ページへのアクセス数)
・オプトインページでの登録率(=実際の反応)
まずは、オプトインページのアクセス数をチェックし、UUとの比率から「誘導率」を算出します。
もしこの誘導率が低い場合は、導線そのものに問題があると判断できます。
改善点としては
・各記事末尾の誘導文やリンクの改善
・ヘッダーやサイドバーの導線見直し
特に、検索エンジンからの流入が多い記事からの誘導を優先的に最適化することで、効率よく反応を引き上げられます。
ただし、誘導率が高ければ高いほど良いというわけではありません。
「誘導率が高いのにオプトイン率が低い」場合、ただ見込み客を逃しているだけになります。
オプトインに至らない訪問者に対しては、まず価値提供を通じて関心を高め、他のコンテンツを巡回してもらう工夫が必要です。
滞在時間や回遊率を伸ばすことで、検索エンジンからの評価も向上し、メディア全体の信頼性も高まります。
また、導線に問題がないにも関わらずオプトイン率が低い場合は、オプトインページそのものが原因です。
この場合、ページの見せ方や構成、訴求内容を見直し、改善とテストを重ねる必要があります。
まとめ:オプトイン解析の5ステップ
DRMを前提としたメディアの成果を高めるためには、以下の5ステップに沿ってオプトイン率を解析し、改善を図る流れが最も合理的です。
・トラフィックは十分に来ているか?
・トラフィックの属性はテーマと合致しているか?
・UUに対してPVは伸びているか?
・オプトインページへの誘導率は適切か?
・オプトインページでの登録率は満足できる数値か?
なお、ここで解説してきたステップはあくまでも「オプトイン率を向上させるため」のものです。
DRMの最終目的である「成約率の向上」に取り組むには、次のステップとして「成約に向けたメディア解析」が必要となります。
まずはオプトイン解析で確かな反応を得られる状態を作り、そこから本格的な売上向上フェーズへと進んでいくのが、戦略として最も現実的かつ効果的です。

