生成AIを使って画像を作る
このテーマに興味を持つ方なら、一度は「どんなプロンプトを入力すれば思い通りの画像が出るのか」と悩んだことがあると思います。
実際、プロンプト次第で出力結果は大きく変わりますし、思い描いていたビジュアルに近づけるには、細かな調整と試行錯誤が欠かせません。
ただ、そんな中でひとつ、意外と見落とされがちだけどとても有効なアプローチがあります。
それが「四コマ漫画のストーリーを軸に画像を生成する」という方法です。
このアプローチでは、まず四コマ漫画のストーリーを考えてから、その流れに沿って1コマずつ画像を生成していきます。
一見まわりくどいように感じるかもしれませんが、じつはこの手法、画像の一貫性や表現力を高めるうえでとても優れていて、しかも誰でも取り組みやすいんです。
しかも、ただ画像を作るだけでなく、それを使ってマーケティングや収益化にまでつなげる道が開けてきます。
今回はそんな「四コマ漫画×生成AI」という切り口から、画像生成の新しいアプローチについてお話ししていきます。
これまでプロンプトだけで画像を作っていた人にとっても、新たな視点が得られるはずなので、ぜひ最後まで読んでみてください。
四コマ漫画×生成AIという発想
そもそも、なぜ四コマ漫画なのか。
画像生成の話をしているのに、なぜわざわざストーリーを挟むのか。
そう感じる方もいるかもしれません。
ただ、実際にこの手法を使ってみるとわかるんですが、ストーリーがあることで画像に“意味”が乗ってきます。
ただの一枚絵では表現しきれないニュアンスや感情の流れが、コマごとに展開されることで伝わりやすくなり、しかも、四コマという形式は非常にコンパクトなので、アイデアがまとまっていなくても取り組みやすいという利点もあります。
たとえば、
1コマ目は少女が空を見上げている場面
2コマ目は雷が空に集まってくる
3コマ目で魔法を放つ
4コマ目で静寂が戻る
こうした流れを想定しておけば、画像生成AIに対しても「どんな場面を描いて欲しいか」を具体的に伝えやすくなります。
そして、ストーリーの力を借りることで、単なる“きれいな絵”ではなく、“心に残るシーン”に変わっていく。
これが、四コマ漫画という形式を活用する最大の理由です。
しかも、ストーリーをベースにしておけば、イラストの整合性も取りやすくなります。
そして、キャラクターの髪型や服装、背景のトーンといった要素も、一貫性を持たせやすくなります。
結果として、見た目のクオリティも自然と底上げされる。
そのうえで、画像をSNSやブログで展開する際にも、ストーリーがあることで読者の関心を引きやすくなり、これがプロンプト一発だけでは得られない、もう一段階上の“伝わる画像生成”へとつながっていくわけです。
ストーリーから画像を作る実践ステップ
実際に四コマ漫画の流れで画像を作っていこうと思ったとき、最初に何をすればいいのか。
ここからは少し実践寄りの話になります。とはいえ、難しい話ではありません。
むしろ、画像生成AIと相性の良い“設計図”が手に入るような感覚に近いかもしれません。
まずやるべきことは、ストーリーの土台を考えることです。
といっても、いきなりゼロから自分で作り上げる必要はありません。
生成AI、特にChatGPTのような言語モデルに頼ることができます。
たとえば
あなたは四コマ漫画を描くプロの漫画家です。◯◯というテーマで、心に残るストーリーを1つ考えてください
こういった感じで指示を出すと、かなりまとまりのあるストーリーが返ってきます。
ここで大事なのは、“誰の視点で、どんな空気感の中で”物語を作ってほしいかをきちんと伝えることです。
たとえば
「幻想的な世界観で」
「ジブリっぽい柔らかい雰囲気で」
「戦記ものとして重厚に」
など、そのテイストを指定することで、ストーリーにも深みが出てきます。
この段階での精度が、そのまま最終的な画像の完成度に直結してくるので、ここはじっくり取り組みたいところです。
ストーリーが出来上がったら、いよいよ各コマごとの画像を生成していくわけですが、このときにも
誰が
どんな状況で
どんな感情を抱いているか
こういった情報を、プロンプトの中に丁寧に織り込んでいくことが大切です。
さらに、プロンプトの中で“描いてほしいスタイル”まで明確に伝えられるとより効果的です。
たとえば「日本のアニメスタジオ風の繊細なタッチで」「ゲームのワンシーンのようにダイナミックに」といった具合に、視覚的な方向性をしっかりと定めておくことで、生成AI側も意図をくみ取ってくれやすくなります。
このように、最初にストーリーで全体の骨格を作り、それを分解して1コマずつ具体化していく。
この工程を踏むことで、結果としてバラつきのない、統一感のある四枚のイラストが仕上がってくるわけです。
プロンプトというツールを、単なる指示文ではなく、“創作の設計図”として捉えることができるかどうか。
そこがこの手法を活かせるかどうかの分かれ道になってくるのです。
実際に生成してみた画像の紹介
こうしてストーリーを設計し、それに沿って一枚ずつ画像を生成していくと、具体的にどんな仕上がりになるのか。
ここでは、実際に私自身が過去に試してみた事例を少し紹介させてください。
私が初めて四コマ漫画という形式を取り入れて画像を作ったのは、ちょうど1年ほど前になります。
プロンプトには当時の知識をフルに活用して細かく指示を出しましたが、当然ながら今のようなモデルの精度ではなかったこともあり、細部の作り込みには少し粗さがありました。
それでも、ストーリーの流れに沿って4枚の画像が仕上がったときの達成感は、今でもはっきりと覚えています。
キャラクターの表情や背景、色合いにばらつきがあっても、一貫した物語があることで全体がつながって見えるのです。
正直、その時点でもうすでに「これ、売れるかどうかは別として、作品として成立してる」と感じるくらいには手応えがありました。
実際に生成した四コマ漫画の1シーンの画像がこちら

そして、今回改めて同じテーマで画像を再生成してみたんですが、細部の描写に関しては、精度が上がっていると感じました。
実際に生成した画像がこちら。

イラスト全体の仕上がりは1枚目、2枚目で異なり、またこれを見る人によって感想はそれぞれあると思います。
ただ、どちらのイラストにせよ、重要なのは“ストーリーの存在”です。
どんな生成AIモデルにせよ、土台となる物語がなければ、画像の連続性や印象は散漫になってしまいます。
だからこそ、四コマ漫画という形式は、生成AIにとっても制作者にとっても、非常に頼りになる「設計の軸」になるんです。
こうして同じテーマで繰り返し生成してみることで、単に一枚のイラストとしてではなく、「流れを持った作品」としての精度や深みを少しずつ育てていける。
これは創作の視点でも、マーケティングの視点でも、大きな意味を持つことだと思っています。
画像を『売る』ために必要なこと
ここまでで、生成AIを使ってストーリー性のある画像を作る工程についてお話してきました。
ただ、もし最終的にその画像を「販売したい」と考えるのであれば、また別の視点が必要になってきます。
というのも、画像そのもののクオリティだけでは、なかなか人は“お金を出してまで欲しい”とは思いません。
むしろ、本当に大事なのはその画像に「どういう意味づけがされているのか」、そして「誰に向けて、どんな意図で作られたのか」が伝わっているかどうかのほうなんです。
実際、私自身も過去に作った画像をこの記事で紹介していますが、それを見て「ぜひ購入したい」と思う人がいるかと言われると、正直そこにはあまり期待していません。
なぜなら、その画像に対して“欲しいと思う理由”を与えていないからであり、ただ綺麗な画像が載っているだけ。
それでは興味本位で見てくれる人はいても、「買う」という行動にはつながりません。
ここで必要になってくるのが、いわゆる“動機づけ”です。
この画像は誰のために、どんなシーンで使ってもらうことを想定して作られたのか。あるいは、どういう物語や感情を背景に持っているのか。
そうした情報をセットで届けることで、はじめて受け手の中に「自分の中にも使い道があるかもしれない」とか「この人が作った世界観に惹かれる」といった感情が芽生えてくる。
これがいわゆる“ブランド化”であり、“買いたいと思わせる理由”そのものです。
たとえば、同じ四コマ漫画であっても、内容がすごく面白くて「続きが読みたい」と思わせるような構成になっていれば、それだけでも購入につながる導線ができます。
あるいは、SNSなどでその作品を日常的に発信し続けていく中で、
「この作者の作品が好き」
「あの世界観をもっと手元に置いておきたい」
こういう気持ちが生まれてくる。
そうなると、画像の“技術的な完成度”よりも、“誰がどんな思いで作ったか”のほうが、むしろ大事になってきます。
つまり、画像を売るために最も必要なのは、画像そのものの美しさよりも、それを届けたい相手に“なぜそれを手にしてほしいのか”を伝えること。
これができて初めて、販売という行為が成り立つようになります。
そしてその考え方は、画像生成に限らず、あらゆる創作物に通じるマーケティングの本質でもあると感じています。
四コマ漫画×SNS×ブランディングの相乗効果
ここで少し、画像の“売り方”について、もう一歩踏み込んだ視点をお伝えしておきたいと思います。
というのも、いくら意味のあるストーリーを持たせて画像を仕上げたとしても、それがきちんと「見込み客の目に触れる場所」に届けられなければ、そもそも売れる・売れない以前の問題になってしまうからです。
そこで重要になってくるのが、SNSやブログといった発信メディアの活用、そしてその中で構築される“ブランディング”という視点です。
たとえば、あなたが継続的にSNSで四コマ漫画を発信しているとします。
そこで「この人の漫画、ちょっと面白いな」とか「世界観に惹かれるな」と感じてくれたフォロワーが少しずつ増えていくと、あなたの発信自体が“ブランド”になっていきます。
これは非常に大きな価値で、なぜかというと、「誰が作った作品か」という情報が、商品の価値そのものに直結してくるからです。
実際に、同じような画像だったとしても、まったく無名の誰かが売っているものと、「この人の作品だから手元に置きたい」と思われている人が売っているものでは、購入に対する心理的なハードルがまるで違います。
これは単に“知名度”の話ではなく、どれだけ“共感されているか”“物語が伝わっているか”という部分が大きいんです。
だからこそ、たとえ最初は拙くても、コツコツと四コマ漫画を発信し続けることには大きな意味があります。
それに、SNSというのは“作品そのもの”と“作り手の人柄や思想”の両方を伝えられる場でもあります。
実際、四コマ漫画は一回の投稿で完結する構造をしているので、タイムライン上でも目に留まりやすいですし、セリフや雰囲気から作者の個性が伝わりやすいのです。
その積み重ねが信頼に変わっていくと、単発の作品を超えて「この人の世界観に触れていたい」と思ってくれる人が出てくる。
その流れの中で「この画像が欲しい」という行動につながっていくことも珍しくありません。
だから、四コマ漫画という形式を“作品”として完結させつつも、“ブランド”として育てていく意識を持つことが、本当の意味での収益化には欠かせないのです。
画像の美しさだけではなく、あなた自身の発信や想いの一貫性が、購入という行動にじわじわとつながっていく。
その循環を意識して整えていくことが、今後生成AI画像をビジネスに変えていくうえで、とても大きな意味を持つと私は思っています。
おわりに:画像生成はストーリーと戦略がカギ
ここまで、四コマ漫画という形式を軸に、生成AIを活用した画像制作のアプローチについてお話してきました。
少し振り返ると、まず大前提として「プロンプトだけで画像を作る」ことに限界を感じたとき、その壁を越える方法として“ストーリー”が有効だということ。
そして、四コマ漫画というコンパクトな枠組みの中に流れを持たせることで、画像の質だけでなく“伝わる力”が一気に強くなるということ。
さらに、単に画像を作って終わりではなく、そこからどう届けていくのか。
つまりブランディングやマーケティングの観点がとても重要である、ということもお伝えしてきました。
おそらくこの記事を読んでいる方の中には、「自分でもやってみたい」と思っている方がいるかもしれませんし、逆に「自分にはまだ早いかも」と感じている方もいるかもしれません。
しかし、どちらであっても大丈夫です。
大切なのは、“画像をどう作るか”よりも、“誰のために、どんな思いで作るのか”を意識すること。
そして、それを伝える手段として、四コマ漫画という表現が非常に役立つということ。
私自身、まだ模索している部分もたくさんありますし、生成AIの技術もこれからますます進化していくと思います。
ただ、だからこそ今のうちから「ただ綺麗なだけじゃなく、意味があるものを作る」「誰かに届く形で発信していく」という意識を持って取り組んでいくことが、後々大きな差になってくると思っています。
もしこの記事が少しでも参考になったなら幸いです。
そして、これから画像生成AIを使って何かを創っていくあなたの活動の中に、ストーリーと戦略の視点が少しでも活きてくれたら、この記事を書いた意味もあると感じています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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