前回の記事でお伝えしてきた「情報発信のテーマを定めるポイント」は、あくまでビジネスとしてDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の仕組みを作っていくことを前提とした“取っ掛かり”にすぎません。

つまり、ビジネス視点をもってテーマを選ぶための基準であり、「利益を生み出す仕組み」を築く前提があってこその話です。

しかし一方で、こうした“ビジネス前提”の視点を外してしまえば、情報発信は本来、どんなジャンルであっても始めることができます。

あなた自身が興味をもてるジャンルであれば、同じようにその分野に関心を抱く人が、必ずどこかに存在しているはずです。

たとえそれが、世間的にはマニアックと思われるようなテーマであっても、「自分だけが興味を持っている」という状況のほうが、むしろ珍しいのです。

とはいえ、「情報発信=ビジネス」という前提に立つなら、やはり“そのジャンルに収益化の可能性があるかどうか”は、事前に確認しておく必要があります。

<収益化のために確認しておきたい3つのポイント>
・そのジャンルにキャッシュポイントとなる商品(情報商材など)が存在しているか
・その商品の価格帯や報酬単価を踏まえて、現実的な売上見込みが立つか
・あなたが発信しようとしているテーマと、その商品に“自然なつながり”があるか

たとえば、発信テーマとして考えているジャンルに、アフィリエイトできる商材がない場合。

あるいは、あったとしても報酬単価が低すぎて、どれだけ成約しても収益が割に合わない場合。

さらに、発信内容と商品の関連性が薄ければ、読者に強引な印象を与えてしまい、かえって信頼を損ねるリスクも出てきます。

だからこそ、「そのジャンルにおいて、誰がターゲットになり得るのか」「そのターゲットは本当にその商品に興味を示すのか」といった視点も合わせて考える必要があります。

アフィリエイトのように、“すでにある商品を紹介する”ことがビジネスのベースになる場合、情報発信のテーマを決める段階で、上記の3つのポイントをあらかじめ押さえておくことが、成功への現実的な一歩になります。

ここまでお伝えしてきた通り、アフィリエイト型の情報発信では、「キャッシュポイントとなる商品が存在しているかどうか」や「その商品の単価と見込み収益」などが、テーマ選定の段階で重要な判断軸になります。

しかし、もうひとつの選択肢があります。

それが、「自分でキャッシュポイントとなる商品を作る」という方法です。

もしあなたが「アフィリエイター」ではなく、自ら情報コンテンツを提供していく“インフォプレナー”として活動する前提でDRMの仕組みを構築するのであれば、そのテーマに沿って、自分自身で“売れる商品”を開発することも可能です。

このアプローチをとれば、たとえ既存の商品が存在していなくても、あなた自身が「そのテーマに興味をもつ人たちが欲しがるであろう商品」を設計・販売することで、ビジネスの基盤を築くことができます。

さらに、販売価格(単価)を自分で自由に決められるという点も、インフォプレナーならではの強みです。

つまり

・商品があるかどうか
・商品の単価や報酬額
・テーマとの適応性

といった要素は、「どんな商品を自分で作るか」によって、すべて自らの手でクリアできるわけです。

逆に言えば、あなたが「どうしてもこのテーマで情報発信をしたい」と考えているものの、既存の商品では上記の要素を満たせないという場合には、「自分でそのジャンルの商品を作る」という前提で、DRMを設計していくことも、有力な選択肢のひとつになります。

そしてそのとき、あなたは「インフォプレナー」として、情報発信と商品販売の仕組みを、自分自身のビジネスとして構築していくことになるのです。

「興味と意欲」を優先するか?それとも「知識と経験」を優先するか?

前回の話では、情報発信のテーマを定める“きっかけ”の一つとして「自分が興味を持っていて、意欲的に学んでいける分野」を挙げました。

この考え方は、現時点での“知識の量”や“経験の有無”に関係なく、あなた自身が「もっと深く知りたい」「これを発信していきたい」と思えるテーマを候補にしていこうというものです。

ただ、そうした“興味・意欲”を優先したい気持ちがある一方で、「すでにある程度の知識や経験を持っている分野」が他にある場合、どちらを選ぶべきか、悩むこともあるかもしれません。

このとき、ひとつの指針になるのが、“意欲の持続性”です。

情報発信は、長く続けていくからこそ成果が出るもの。

その意味でも、「学びたい」「伝えたい」という気持ちが継続しやすい分野を選ぶことが、結果的に正解になる可能性が高いのです。

既存の知識だけでは、いつか必ず“限界”が来る

仮に「今すでに知識や経験があるから」という理由でテーマを選んだとしても、その分野に対して意欲が湧かないままだと、発信はすぐに行き詰まります。

なぜなら、すでに持っている知識だけで情報発信を続けていくことには、どうしても限界があるからです。

本質的に、どんな分野であっても、情報発信を継続していくにはインプットとアウトプットの循環が不可欠です。

世の中で「専門家」や「スペシャリスト」と呼ばれる人たちもまた、その分野を学び続け、探求し続けているからこそ価値を持っています。

つまり、知識や経験があるかどうかよりも、その分野について“学び続けたい”という気持ちが残っているかどうかの方が、はるかに重要なのです。

だからこそ、「興味・意欲の持てるテーマ」を選ぶ

もし「知識はあるけれど、もう学びたいとは思わない」と感じる分野があるなら、どれだけスキルがあっても、それをテーマにするのは得策ではありません。

発信の継続には、学びの継続が欠かせないからです。

一方、仮に知識も経験も“ゼロ”の状態からスタートするテーマだったとしても、その分野に対して強い興味と意欲があるなら、そこから始めてもまったく問題ありません。

日々学んだことを、自分の言葉でアウトプットしていく、それだけでも、十分に価値ある情報発信になります。

むしろ、「昨日の自分が知らなかったことを、今日の自分が知った」という流れをそのまま“発信コンテンツ”に変えていけば、あなたと同じような知識レベルの人にとって、それは非常に有益な情報になるはずです。

知識ゼロの状態から発信を始める場合は、常に「昨日の自分」をターゲットに据えて、「この情報があれば、昨日の自分はもっと早く理解できたな」と思えることを届けていけば大丈夫です。

世の中には、そんな“昨日のあなた”と同じ段階にいる人が、驚くほどたくさん存在しています。

実績がない分野で発信して、果たして誰かに響くのか?

情報発信のテーマを決める段階で、多くの人が感じやすいのがこの疑問です。

「実績がなければ、発信する情報に興味を持ってもらえないのでは?」
「実績を示さなければ、情報の価値を認めてもらえないのでは?」

このような不安を抱えて、テーマ選定に二の足を踏んでしまう人は少なくありません。

たしかに、情報を受け取る側の視点として、「私はこの分野での実績はまったくありません」「今日勉強したばかりのことを今日話します」といったスタンスを冒頭で明言されると、
「じゃあ他の人の話を聞こう」と感じてしまう人が出てくるのも事実です。

ですが、それはあくまで発信者自身が“あえてそう伝えている場合”に限った話です。

実績の「有無」よりも、“見せ方”がすべて

現実として、その分野に関する実績が「ある」人は、それをアピール材料として前面に出すのが自然ですし、むしろそうすべきです。ですが、「実績がない」場合、それをわざわざ言う必要はないのです。

そして、発信内容の中で「私は初心者です」「学びたてです」と公言しなければ、読み手側は“あえてあなたに実績がないこと”を気に留めることすらありません。

もちろん、実績を偽って“あるように見せる”のは絶対にNGです。

それは一度でも信頼を失えば、すべてが崩れてしまう世界だからです。

けれども、あえて自分にとって「不利」になるような情報を公にする必要もないということ。

必要なのは、“今の自分が提供できる価値”にフォーカスして、発信することだけです。

「実績がないから発信できない」は、ただの思い込み

特にネットビジネス系の分野では、「私は月○○万円稼いでいます!」といった“実績アピール”が目立つ場面も多いため、それと比較して「自分には何もない」と感じてしまうかもしれません。

ですが、実績がない人が情報発信をしてはいけない理由はどこにもありません。

むしろ、実績がないからこそ、学びの過程をリアルタイムで発信するスタイルが、多くの共感を集めることもあります。

必要なのは、「自分に実績がない」という事実ではなく、「どのように伝えれば、誰かの役に立つか」という視点です。

実績がなくても、発信はできます。

そして、それを必要としている“誰か”が、必ずどこかにいます。

ここで改めて、根本的な視点を見直してみましょう。

「実績がなければ、発信する情報に興味を持ってもらえないのでは?」
「実績を示さなければ、情報の価値を認めてもらえないのでは?」

こうした懸念を抱くのは自然なことですが、結論から言えば、その心配は、実はあまり意味がありません。

実際のところ、発信者に目立った実績がなくても、その情報に「興味を持ってもらうこと」や「価値を感じてもらうこと」は十分に可能です。

実績は“きっかけ”にはなるが、“本質”ではない

もちろん、ブログやメルマガなどで発信者の実績をアピールすれば、「へえ、そんな人なんだ」と読者の関心を引く“きっかけ”になる可能性はあります。

しかし、それがもたらす効果はあくまで話題の導入としての補助的な役割にすぎません。

実績があるだけでは、継続的に読者がついてくる理由にはならないのです。

逆に言えば、実績がないことをわざわざ公言していなければ、読者にとってそれは「未知数」なだけであって、マイナスに捉えられることもありません。

実績があるかないかよりも、「その実績をあえてどう扱うか」が重要だということです。

読者が“想像する実績”のほうが、むしろ強い

たとえば、あなたが実績を公表していなかったとしても、発信している情報が読者にとって「有益だ」「納得できる」と感じられれば

「これだけの情報を出せるんだから、きっと実績のある人なんだろう」

と、読者の側が“想像の中で”あなたの実力を高く評価してくれるようになります。

この“想像してもらえる状態”をつくることこそが、情報発信者としての理想的なあり方だといえるでしょう。

だからこそ、焦って実績を語る必要もなければ、「実績がないから…」と不安になる必要もないのです。

ネット上の「実績」は、そもそも信じられていない

さらに言えば、インターネットの世界には、誇張された実績や、事実とは異なるプロフィールを掲げている人も少なくありません。

もちろん、そういった“虚偽の実績”を肯定するつもりは一切ありません。

ただ現実として、「ネットで語られる実績の真偽」は、多くの人にとって見極めが困難です。

そのため、読者の多くは「実績」の話自体をそもそも疑って見ているという前提があります。

どれだけ立派な実績を並べたとしても、「本当かな?」と警戒されるケースは決して少なくありませんし、本物の実績であっても、すぐに信じてもらえる保証はないのです。

実績に頼らず、「中身」で信頼を築く

つまり、実績というのはあくまで“話題のひとつ”に過ぎないということ。

重要なのは、あなたが発信する情報が

「誰かにとって価値のあるものになっているかどうか」

そこに尽きます。

読者が興味を持ち、信頼してくれるかどうかは、結局のところ、あなたが発信する“中身”がしっかりしているかどうか。

それがすべてです。

だからこそ、「実績があるかないか」にとらわれすぎず、あなたの視点、学び、経験、気づき、実践を丁寧に言語化して届けていく。

その積み重ねこそが、真に“信頼される発信者”への道なのです。

「競合が多いテーマ」は避けるべき?その考え方こそ見直すべき視点

情報発信のテーマを選ぶ際に、多くの人がつい気にしてしまうのが“競合の存在”です。

「すでに発信している人が多いテーマは、稼ぎにくいのでは?」
「ライバルが強すぎる市場には、参入しないほうがいいのでは?」

このような不安を抱く人も少なくありませんが、結論から言えば、その考え方は逆にしたほうがいい、というのが実際のところです。

一見すると、ライバルが少ない市場のほうが有利に見えるかもしれません。

しかし実際には、「競合が多い市場」のほうが、初心者にとって“稼ぎやすい環境”が整っているケースが多いのです。

ライバルが多いテーマには、実はメリットが多い

たとえば、「ライバルだらけのテーマ」と「誰も参入していないテーマ」を比べた場合

競合が多いテーマのメリット
・すでに需要や市場規模があると確定している
・成功している人の発信事例を参考にできる
・市場が活性化しているため、学びの機会も多い

競合がいないテーマのリスク
・本当に需要があるのかがわからない
・稼げる市場かどうかが完全に未知数
・ロールモデルや参考事例がほとんど存在しない

このように、「競合がいない=ブルーオーシャン」と捉えたくなる気持ちもわかりますが、実際には、ライバルが存在しているからこそ、そのテーマにすでにお金が動いているという確かな証拠になるのです。

初心者ほど、競合が多いテーマを選んだほうがいい理由

特に、これから初めて情報発信にチャレンジする人にとっては、“モチベーションを維持できる環境”を選ぶことが何より重要です。

競合が多いテーマなら、学ぶ材料が豊富にあり、迷ったときに参考にできる成功例もたくさん存在します。

その結果、「自分にもできそう」という手応えを感じやすく、行動を継続しやすくなります。

一方で、競合がまったく存在しないテーマを選んでしまうと、需要があるのかもわからず、頼れる前例もない状態で進めることになるため、「これで本当に大丈夫なのか…」という不安や迷いに常に付きまとわれることになります。

その状態では、情報発信の手が止まり、継続が難しくなってしまう可能性も高いのです。

テーマ選定の基準は「競合の数」ではなく「あなたの意欲と継続性」

もちろん、テーマ選定において“競合の有無”を完全に無視していいわけではありません。

ただ、それを最優先で判断基準にしてしまうと、かえって遠回りになるケースも多いのです。

これまで述べてきた通り

・あなたが本当に興味を持てるか
・学び続けたいと思えるか
・継続して発信していけるか

といった観点をベースにテーマを選ぶことが、最も健全かつ長続きするアプローチです。

そして、もしそのテーマが「競合が多いジャンル」であったなら、むしろそれは歓迎すべき状況です。

逆に、競合が少ないテーマだった場合でも、その市場が未成熟であり、成功事例がないという現実を受け止めた上で、「それでも自分はやりたい」「モチベーションが続く」と感じられるなら、その道を進むのもひとつの選択肢です。

重要なのは、競合の多さそのものではなく、そのテーマを自分が本気で育て続けられるかどうかという視点です。

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